私は8年ほど前から、お能の謡と仕舞を習っています。
東京から能楽師 角当行雄先生を、年に4回札幌のお稽古場にお招きしています。
角当行雄先生は、重要無形文化財総合指定保持者です。
自分がどうあがいても超えることのできない偉大な師の前では、心が謙虚になります。
それは、経営者としてとても幸せなことだと思うのです。
人としての大切な「ふるまい」や「心」を養っていただけます。
「能」は室町時代に観阿弥、世阿弥親子によって大成されました。
美しい装束を着て、面をつけて華やかに舞を舞う。
日本最古の古典芸能であり、伝統的な舞台演劇のひとつです。
能の動きや言葉の表現は抽象的なものが多いので
何の予備知識もなく、初めて能を観たときにストーリーを
理解するのは難しいかも知れません。
でも、能の楽しみ方はストーリーを理解することだけではありません。
豪華で美しい装束が視覚に訴えるもの、
囃子や謡のメロディーが聴覚に訴えるものをもとに
観ている人が自分で作り上げるイメージこそが能舞台だと思います。
そして、スポーツでもなんでもそうですが、
自分でやってみると、観る目が養われていくのですね。
謡と仕舞をお習いするときには、頭と体を適度に使います。
80歳を過ぎても、自分のペースで楽しんでいる方が何人もいらっしゃいます。
今月上旬、角当行雄先生の全国にいらっしゃるお弟子さんたちが、
安芸の宮島に集合しました。
日頃のお稽古の成果を披露しつつ懇親を深め、
厳島神社本殿正式参拝、大鳥居を屋形船で巡るなどの
観光を交えながら楽しんできました。
自分の感性を高めることは、確実に仕事に活かされていく、
ということを実感しています。
12月も半ばになりました。
今年もいいお仕事をたくさんいただき、良い一年を過ごさせていただきました。
心から感謝しつつ、また来年に向けてお客さまのお役に立てる自分でありたいと
心を引き締めているところです!